ミュージシャンの方のコンサートグッズとして使われるプリントのオリジナル手ぬぐい

プリント手ぬぐいは実際にはどのようなニーズで使われているのでしょうか?

まず、最近の傾向として、ミュージシャンの方のコンサートグッズとして使われるケースが増えてきています。これは私の憶測ですが、ミュージシャンの方は感 性が鋭いので、手ぬぐいの持つ雰囲気に何か新しいモノを感じていらっしゃるんじゃないでしょうか?それと、ここ最近、心の時代とか、癒しの時代と言われて いますから、そういった面から手ぬぐいの持つ温もりが、彼らの心に何かしら訴えかけているんじゃないかな?と思ったりしています。
いずれにせよ、今まで日本人が置き去りにしつつあったモノを、若い人が新しい感性で注目してくれるというのは、とてもありがたいことだと思っています。

他には、Jリーグのサポーターグッズとして、作らせていただいています。Jリーグでは、オリジナルプリントを施したマフラータオルでもお世話になっており ますが、最近プリント手ぬぐいのご注文もよくいただけるようになりました。「サッカーで手ぬぐい?」と最初不思議に思ったのですが、スタジアムの様子を拝 見したところ、サポーターのみなさんは手ぬぐいを頭に巻いたりしてるんですね。ちょうどバンダナのような使い方です。

専門的な話になりますが、バンダナは手ぬぐいと良く似ていますが、作成コストはかなり違います。バンダナはどちらかというと特殊な部類に入るので、結構割 高になるんですね。なので、サポーターグッズをバンダナとして作ってしまうより、手ぬぐいで作った方が安く出来るというメリットがあるのです。それにして も、作り手としては、まさか手ぬぐいがバンダナのように使われるとは思ってもみませんでしたから、新しい発見でした。いつの時代も、若い人の感覚って素晴 らしいものがありますね。

いずれにしましても、ミュージシャンのコンサートやイベントのグッズ、Jリーグのサポーターグッズなど、どれも一度に大量生産をしなければならない物ですから、枚数によるメリットの高いプリント手ぬぐいに向いていると言えます。

さて、そんなプリント手ぬぐいですが、私は名入れタオル同様、企業様の販促グッズとして使っても面白いんじゃないかな?と思っています。
特に、和のテイストを大切にされている企業様には、タオルよりもむしろ手ぬぐいの方が向いているのではないでしょうか?
日本旅館に和服、和食、日本建築、庭、和食器などなど、まだまだ和の心を感じさせるモノは数多く存在しています。
もちろん、それだけはありません。ミュージシャンやJリーグのように、新しいモノに取り入れるのも、面白いと思います。

このように、日本古来の文化に、今風のテクノロジーが加わったプリント手拭は、私どもとしても、今後注目しているアイテムでもあります。
そして、プリントのオリジナル手ぬぐいがもっと一般的になることで、本染めの良さも再認識されるのではないかなとひそかに期待していたりもします。

 

プリント手ぬぐいの特徴(本染め手ぬぐいとの比較)

プリント手ぬぐいの特徴は、多色刷りが可能なことと、デザインをはっきり表現できるところです。
やっぱり、本染めに比べて、一度に倍近い色を使えるわけですから、その分表現力も豊かにはなります。それに、本染めはどうしても色と色とが隣接する部分が 交じり合ってしまう「色ぶつかり」が発生するため、多色刷りは難しいのですが、プリント手ぬぐいの場合、そういった心配がありません。
(本染めで多色刷りをする場合は、二度染め、三度染めといった方法で回数を分けて染めることで可能となりますが、当然その分手間がかかってしまうことになります)

またプリント手ぬぐいは、本染め手ぬぐいに比べて、納期的なアドバンテージがあるのが魅力的です。
特に、アーティストグッズなどは、ライブやイベントにあわせて作られることが多いため、発売する日程が決まっていることがほとんどです。ですから、その納 期は絶対厳守しなければなりません。でも、それだけ納期がタイトであるにも関わらず、先方からデザイン案が出てくるのは、比較的時間がかかることがありま す。そのため、納期のかかる方法では、対応しきれません。(これは、オリジナルプリントタオルでも同様です)また一度に作る枚数も多いですから、本染めで は到底対応しきれるものではありません。

それから、サンプルを作れるというのも大きいですね。
コンサートグッズなどは、大きな話なので、おいそれと出来ることではありません。当然、先方としてはサンプルの提出を求めてくることになります。そのときに、「手ぬぐいはサンプルが出せないんですよ。」では、ちょっとまずいですから。

それから、本染めと違う点として、型代がかなり安く抑えられるという所があります。
本染めの場合、型職人が手作業で型を作っていきますが、プリントの場合、コンピュータで作れてしまいます。この時間とコストの差は大きいと思います。それ に本染めのように、型を作ってからデザイン変更ということになると、一からやり直しということになりますが、プリントの場合、その点は融通がききます。と はいえ、本染め手ぬぐいのあの温もりや独特の雰囲気を再現するのは、プリント手ぬぐいではやはり難しいと言えます。本染め手ぬぐいは、人の手作業ならでは 味、プリント手ぬぐいは、機械だから出来る表現力と均一化された品質とそれぞれ持ち味があります。どちらが良いかは、やはりお客様のニーズによって分かれ るところでしょう。弊社でも、「どちらがいいの?」といったようなご相談はいつでもお受けしております。
やはり専門家に聞くのが一番だと思いますので、どうぞお気軽にお問合せ下さい。

 

プリント手ぬぐいの製造方法

伝統的な技法を用いた本染め手ぬぐいに対し、新しい技術を使い、新たな顧客獲得に貢献しているのがプリント手ぬぐいです。プリント手ぬぐいはその字の通り、プリントタオルと同じ方法で作られる手ぬぐいということになります。

プリント手ぬぐいがどういう風に作られるのかというと、その工程はプリントタオルの顔料スクリーンプリントと同じです。シルクスクリーンでプリントしたい 文字やデザインの型を作っておき、それ越しに顔料インクを塗ることによって、生地にプリントをして行きます。スクリーンプリントは、生地に馴染むように印 刷されますので、ゴワゴワ感が出ることもありませんし、ペンキのように生地に乗っかっているオフセットと違い、手ぬぐいの風合いもそこねることはありませ ん。

スクリーンプリントは、日本の 友禅染・型染の型紙からヒントを得たイギリス人技師が、絹を使った印刷版を作ったのが始まりと言われています。絹(シルク)を使った印刷版(スクリーン) なので、シルク印刷とか、スクリーン印刷と呼ばれています。

スクリーン印刷の最大の利点は、どんな物にも印刷が出来ることです。
一説によると「水と空気以外なら何でも」と言われるぐらい汎用性の高い技法でもあります。
また、多色刷りにも強いのがスクリーンプリントの特徴です。

本染めの場合、よく出来て3色くらいまでなのですが、プリント手ぬぐいの場合、7色までの多色刷りが可能です。また、本染めの場合、多色を使うと色と色と が交じり合ってしまう「色ぶつかり」があるため、本当は多色刷りには向いていません。でも、プリント手ぬぐいの場合はその心配もありませんし、色もデザイ ンもハッキリと表現することが可能です。

ただし、プリント手ぬぐいにも製造上の難点があります。
それは、本染めのように、小ロットでの生産が出来ないこと。経済ロットを考慮すると、どうしても最低100枚からの発注でないと、難しいかもしれません。(これは、オリジナルプリントタオルでも同様です)

弊社でも、大口のお客様としてJリーグのチームからプリント手ぬぐいのご注文をいただいておりますが、Jリーグだと、一度に作る枚数もかなりの物ですから、こういったオーダーには、プリント手ぬぐいは最適と言えるでしょう。

 

剣道やミュージシャンのグッズに使われる本染めのオリジナル手ぬぐい

それではここで、本染め手ぬぐいがどのような場面で使われているかをご紹介しましょう。
最もポピュラーな使われ方としては、剣道の道具としての使われ方です。
ご存知の通り、剣道のお面をかぶるまえに必ず頭に手ぬぐいを巻きますよね?あれをタオルやハンカチで代用していると言った話は聞いたことが無いですから、 剣道の世界での需要は100%ということになると思います。中学や高校の剣道部からの依頼は、今でも本染め手ぬぐいの大得意様ですね。

また最近では、ミュージシャンの方たちが、コンサートグッズとして、手ぬぐいを採用するケースが増えてきています。
若い人の新しい感性が、手ぬぐいという伝統的な文化と結びつくということは、とても意外な感じがしますが、今、心の時代とか、癒しといった言葉が良く聞かれるように、何か人の心に対して、安らぎや優しさを感じる物が受け入れられているのかも知れません。

ただ、その一方で、本染め手ぬぐいの難点であるところの、「納期がかかる」 「サンプルを作ることが出来ない」 「型代が必要となる」といったことがネックとなり、発注まで至らないという残念なケースもあります。
「それでも、本染めで作りたい」というお客様に対しては、この上記3つのことをきちんと説明し、納得していただいた上でお作り頂いていますが、それ以外のお客様には、この次の章でお話します「プリント手ぬぐい」での製作をおすすめしています。

こういった一般的な受注の他に、工芸品というか、芸術品として手ぬぐいを発注していただく方もいらっしゃいます。
手ぬぐいは、小ロットでの製作が可能ですから、それこそ1枚きりでも作ることが出来ます。そのため、かなり手間隙をかけて、1枚を仕上げることが可能ですから、それこそ1枚の絵や彫刻を仕上げるような感覚で、手ぬぐいを作っていけます。
こうして作られた手ぬぐいは、本当に素晴らしい物です。実際に、そういった手ぬぐいを額縁に入れて飾るというニーズもありますから、伝統工芸として、その価値を上げていくということも、今後視野に入れてよいのかも知れませんね。

本染め手ぬぐいのオリジナルは手ぬぐい神野からお問い合わせ下さい。

 

本染めのオリジナル手ぬぐいの染め方と特徴

本染め手ぬぐいの特徴なんですが、まずは良いところとしては、やはりあの和のテイストをふんだんに漂わせている雰囲気です。
あの独特の雰囲気は、タオルでは表現しきれない世界でもあります。
高級な手ぬぐいになると、額縁に入れて飾るケースもありますから、もはや芸術作品の域と言える様な物も作られています。

逆に悪い点なのですが、一度に20枚あまりの生地を重ねて一気に染め上げるという、いささか乱暴な方法をとっているため、どうしても1枚1枚の出来上がりにバラツキが生じます。
言ってしまえば、20枚すべての仕上がりがそれぞれ微妙に違うということもありえます。
それが本染めの魅力とも言えるのですが、いわゆる工業製品のような均一的な品質を求める方だと、ちょっと我慢が出来ないかもしれません。

ちなみに、後で説明をしますが、一度に20枚を染めるのではなく、1枚1枚丁寧に染めていくやり方もあります。
こちらは、非常に高い品質での仕上がりになりますが、当然その分コストは高くなってしまいます。

次に本染めで使う染料なのですが、反応染料という種類の物を使用します。
これは、生地の繊維に反応して発色する物なのですが、高輝度の発色が難しいという特徴を持っています。
つまり、本染め手ぬぐいでは、明るい黄色や赤色などは、色が出にくい傾向にあります。

また、作業自体も職人がそのときの温度や湿度などを自分の経験や勘を頼りにこなしていくといった昔ながらのスタイルなので、どうしても職人によって、仕上がりにバラつきが出てしまいます。
でも皮肉なことに、手ぬぐい職人の数が減ってきていますので、その分バラつきも減っているという現象が起きていますが。

本染め職人の減少も深刻なのですが、型職人の減少は更に深刻なものがあります。
また大阪の業者さんの話によると、型職人が三重県にしかいないので、どうしてもそこばかりに集中してしまっているそうです。
もしかすると、型作りの後継者がいないから、本染め手ぬぐいが作れないということもありえるのかもしれません。
また本染めの場合、染めたあとに洗いの工程があります。
これも人間の手でないと、なかなかうまくいかない作業でもあります。
でも、お分かりいただけるように、手洗いというのは重労働でもあります。
それに立ち仕事ですから、職人のなり手が減って来ているというのも、ある意味仕方のないことなのかも知れません。

それにしても、手ぬぐいのあのあたたかみのある風合いは、捨てがたいものがありますし、手作業が多い分、工業製品と違い、小ロットでも作ることが出来ます。
なにしろ、日本の伝統文化でもありますから、何とかその灯を消してしまいたくはありませんね。

 

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