注染で染めるオリジナル手ぬぐいの特色・染め方と手入れ方法

注染の特色

1つ目の特徴は生地の裏面まで染まるという部分です。
注染は一度の型置で両面に防染ができる上に、下からの吸引により染料がよく浸透し、繊維の奥までしっかりと染まり、裏面まで柄が出ます。

2つ目に、注染の型紙は少し大きいので自由にデザインしやすいという部分です。
また、型紙は枠を付けて型置をするので扱いやすくなっています。

その他の特徴としては「差し分け」という染め方があります。
染色は、一つの型で一色だけ染めるものが多いのですが、注染の場合は、「差し分け」という染め方で、一つの型で多くの色を同時に染めることができます。
そのためにはそれぞれの色が混ざらないようにする必要があり、色の境界に糊(のり)を置いて土手をつくり染料を注ぎます。これは、土手で囲った内側が外側の色で染まらないようにするためです。

他にも「ぼかし染」という染め方があり、この「ぼかし染」は色の濃淡やぼかしをつけるため「差し分け」と違い、色の境目に糊は置かないで染めます。

本染め手ぬぐいの染め方

本染めの手ぬぐいは、晒(白生地)を後から染めるのが一般的です。

染め方にはいくつかの種類があり、昔から用いられているのが「捺染(なっせん)」で、色々な文様の型紙を使って、片面のみ染めます。

豆絞り手ぬぐいは「絞り染め」という技法を使っていましたが、手間がかかるため現在はあまり用いられていません。

主流は「注染(ちゅうせん)」と呼ばれる染め方で、糊を置いた部分だけが染め残り柄が表現されます。両面が染まり裏表なく使えるのが特長です。

詳細は、注染のオリジナル手ぬぐいのページをご覧ください。

本染め手ぬぐいの手入れ

注染(本染め)の手ぬぐいを洗濯する際はお湯や洗剤を使うと色落ちしやすいので水で押し洗いします。ねじって絞ると生地が傷むため、軽く押して水気を落とし、ハンガーや竿にかけて陰干しするだけですぐに乾きます。アイロンをかける場合はスチームで手ぬぐい生地を湿らせてからかけると傷みにくいです。

注染(本染め)手ぬぐいをオリジナルで製作する際の型紙・糊・置型

型紙
型紙の紙となる渋紙は三重県伊勢の白子や鈴鹿で作られる。
そのため「伊勢紙(いせがみ)」とも呼ばれ、上質な和紙に柿渋を何度も重ね塗り、手間と時間をかけて作られる。


餅粉と糠から作る澱粉質のもの、海藻から作るものがあり、染料の種類によって使い分ける。

型置
手ぬぐいは反物の状態(一反 約12m)のままで型置と染色が行われ、染め上がった後に規定のサイズにカットされる。

型置は、まず木枠に型紙を鋲で止め、木枠が毎回一定の位置になるよう型置台には目印が付けられる。その目印に合わせて型置を行った後に、手拭いの長さに合わせて布を折り返す。折り返された布の上に二度目の型置を行う。

再び布を折り返して三度目の型置行う。

これを繰り返すことで折り返した布と布の間には、型置の糊が一度ずつ挟まれていることになる。このように目印に合わせて一定の位置で型置を行うため、糊が付いている箇所は布の上から下まで同じ位置になる。

あとは製作枚数分同じ作業をひたすら繰り返す。

詳しくは、注染手ぬぐいの動画ギャラリーをご参照下さい。