オリジナル手ぬぐい


オリジナル手ぬぐい

オリジナル手ぬぐい



どんどんその姿を消している手ぬぐいです。
何とか、我々の手で後世に伝えていかなければならないと感じております。
そこで、「手ぬぐいの未来」について考えて行きたいと思います。

まず私が最初に思いついたのが、「高品質路線」です。
特に本染めの手ぬぐいの話になるのですが、関東の手ぬぐいで作られている物の中で、高級路線の物があると言いました。それをもっと推し進めて行ってはどうか?と思っています。
洋服にオーダーメイド、セミオーダー、既製服があるように、完全なオーダーメイドで、世界にたった1枚しかない本染め手ぬぐいを作るというのも、ありだと思うのです。
世界にたった一つしかなくて、しかもその手ぬぐいの美的価値が高ければ、それなりのステータスになりますし、当然値段だって高くなるでしょう。
そうすれば、職人のやりがいも大きく違ってくるんじゃないでしょうか?

本 当に腕の良い職人が、やりがいを持って手ぬぐいを作る、そうすることにより、より価値のある商品が生まれる。この連鎖が、手ぬぐい文化をより良いものにし ていくのではないかと思っています。もちろん、こうなるには、作り手の意識も変える必要があるでしょう。今までもお話しましたが、関東ではこういった考え を持った職人が多数います。でも、大阪はまだまだそういった域には達していません。それは今までがそういう考え方をしてこなかったからだけで、これから変 えていけば良いだけの話です。私どもも、大阪の手ぬぐい文化が変わっていけるよう、支援していきたいと思っています。

もう一つ、手ぬぐいの未来を担っていると思われるのが、プリントのオリジナル手ぬぐいで す。プリント手ぬぐいは、今までの手ぬぐいの使われ方とは違う観点から生まれた商品です。手ぬぐい自身、実用的な物として使われてきたわけですが、プリン ト手ぬぐいの大きな目的はファッション性です。それを持っていることが、カッコいいという感性から生まれてきています。特に、ミュージシャンやクラブチー ムのグッズの場合、手ぬぐいで汗を拭くとか、直射日光を防ぐとか、何かを包むというよりは、そのミュージシャンなりチームなりのロゴが入ったものを持つこ とによるファッションアピールであり、仲間意識の共有にあると思います。その手ぬぐいを持っているだけで、コンサート会場やスタジアムにいる他の人たち と、仲間だという喜びを感じることができる、そういうアイテムになっているのです。
ただ、大昔には手ぬぐいもきっと、地味な単色の物から、多色刷りのカラフルなものや、柄が凝ったものへと変化してきたはずです。そのときも、きっと今同 様、新しい感性が作り上げていったに違いありません。そういった意味からも、今プリント手ぬぐいが注目されているというのも、時代が求めているからなのか も知れませんね。

さて、これまで通りのコンサートやイベントグッズ、クラブチームの応援グッズなどもさることながら、企業様の販促用として、名入れタオルの代替というのも面白いのではないかと思います。
プリント手ぬぐいはなんといってもデザインの自由度が高いですし、カラフルな製品を作ることが可能ですから、色々なケースに応用できるのではないでしょう か。それこそ、和のテイストを重視される企業様から、和の物に洋のデザインを入れて、センスの良さを引き出す企業様まで、幅広く対応できると思います。

それと、残念はことではありますが、名入れタオルの場合、貰ってもそのまま雑巾にされてしまったり、どこかにしまいこんだままにされがちなのですが、手ぬぐいですと、目新しさや雰囲気も手伝って、手元に残してもらえる確率も高くなると思います。

こ のようにまだまだ手ぬぐいは活躍できる場所があると確信していますが、それを実現するためにも新しい感性や、今までにない考え方が必要かも知れません。若 いデザイナーの意見や、世の中のトレンドをもっと研究し、この伝統的な日本文化の火を絶やさないようにしていきたいと思います。

それから、 プリント手ぬぐいを普及させるために、私ども作り手が改善していかなければならないのが、ロットの問題です。現状ですと、どうしても100枚以上のご注文 でないと、割高になってしまいます。でも、世間には数十名のサークルやクラブがたくさんあります。その方たちが、自分たちのオリジナルグッズとして、プリ ント手ぬぐいを作ろうと思っても、ロットの問題が障害となり、作るのをあきらめざるを得ないということが現状です。これを何とか改善することによって、オリジナル手ぬぐいを数十枚という小ロットでも、安心して発注していただけるよう、努力していきたいと思います。

いずれにしましても、手ぬぐいは日本独自の文化です。
たとえ本染めであろうと、プリントであろうと、よその国には存在しない物です。その素晴らしい文化を、存続させるだけでなく、発展させていくのも我々の使命だと考えております。

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