ジャガードタオルというものがどういった商品なのか、またどうやって作られているのかなど、ジャガードタオルについて細かい部分までお伝えできたのではないかと思っています。
さて、いよいよこの章が最終となります。
この章では、みなさんが実際にジャガードタオルを作るとき、どういった点に注意すれば、満足度の高いタオルを作ることが出来るか?という点を中心にお届けします。まあどちらかというと、これまでの所の総まとめ的な章になると思います。
まず、ジャガードに向く商品ですが、これはもうハッキリしてます。
「遠くから見て、デザインがハッキリ認識できるもの」ですね。
確かに、デザインがハッキリしないものや、名入れタオルのように、会社名や電話番号を入れてジャガードタオルを作ることは出来ます。でも、わざわざそうす る必要がありませんから、かえって無意味な結果になります。ジャガードにすることで、プリントタオルよりもコスト高になってしまうわけですから、プリント タオルで充分なものを、わざわざジャガードで作る必要はありません。
なお、「ハッキリ見える」ということになると、これは「毛違い」で作ったものということになります。
上げ落ちは、立体感は出ますが同色のため、遠くからの認識は難しいでしょう。
遠くからでもデザインがわかることでメリットのあるものと言うと、やっぱりプロスポーツチームの応援グッズであったり、コンサート会場で売っているもので あったりします。これらのタオル(あるいはタオルマフラー)は、スタジアムやホールといった巨大な施設の中にいる大勢の人が持ちます。
そのため、遠くからでもはっきりと認識できるということが、商品価値につながります。ましてや、チームやアーティストロゴというのは、とても大切なアイテムですから、しっかりと見えることは重要なファクターです。
もう一つは、「高級感を与える商品」も向いていると言えます。
こちらは上げ落ちを使った商品となりますが、上げ落ちを使うことで、タオル自体に立体感が生まれます。高級ホテルのタオルなどに用いられるのも、こういった考えがあってのことでしょう。
確かに、織り方だけで立体表現をするというのは、高級感が漂うものです。
もしあなたが、ご自分の扱うブランドが高級路線であるのなら、上げ落ちで表現されるのも一つの手法だと思います。
それから、これは毛違いのオリジナルタオルの 話になりますが、毛違いの場合はタオル表面のパイルはそのまま残ります。ということは、そのタオルは吸水性が高いということになります。よくスポーツブラ ンドが、自社のロゴの入ったタオルをジャガードで作っているのも、実のところはジャガードタオルの機能が給水性にすぐれているからなのでしょう。