どうすればコスト面、出来栄えともに満足のいくミニハンカチが作れるのかについてお話していきましょう。
まず、どの商品でも問題になるのがロットですが、ミニハンカチについては、元々のバスタオル大の状態で換算しますので、最終的なロット数はかなり多くなります。
通常、10ロットを目安としますが、この10ロットというのは、バスタオル大の状態で10ロットということになります。
と いうことは、バスタオル大の物が1ダース(12枚)×10ロットで、120枚になるのですが、この1枚のバスタオルからミニハンカチが12枚取れるとし て、120×12で1440枚のミニハンカチが出来る計算になります。このため、以前は「1000枚以下の注文は受け付けない」という所が多くありまし た。神野織物は500枚程度から受け付けしております。(条件により、割高になることもあります)さすがに、1000枚となると、普通のクラブやサークル のオリジナルグッズにするには枚数が多すぎますよね。
そこで、ミニハンカチの用途として一番良いのが、「販促グッズ」として作ることです。
販促グッズであれば、1000枚単位というのも、ごくごく当たり前の世界ですし、何といっても1枚あたり100円程度で作れるのが魅力的です。
実 は、ミニハンカチはプリントを目立たせるためにシャーリング(タオルの表面をカットして揃える)で作るのが基本です。ところが、シャーリングは、水分の吸 収が良くないため、普通のタオルに比べて実用性が若干落ちてしまいます。でも、販促用と割り切れば、その問題もさほど苦にはなりません。
他 のレポートで、「中国産のタオルはおすすめできない」と言って来ましたが、ミニハンカチだけは別です。なぜなら、1枚あたりの大きさが小さいため、品質的 な問題が出にくいんですね。中国産を使うだけで、2分の1ほどの原価で作成が可能となるので、販促用としてはとてもありがたい話でもあるのです。
ただし、やはりここでも今まで述べてきましたように、日本企業が出資している中国の現地法人もしくは、日本企業の中国工場でないと、作成を依頼いたしません。
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ミニハンカチの製造方法
ミニハンカチについてお話していきましょう。
平成18年、高校野球夏の甲子園大会で、ある一大ブームが巻き起こりました。優勝した早稲田実業高校の斉藤投手が試合中、額の汗をぬぐうために、小さなハンカチを使っていて、彼のさわやかな風貌もあいまって「ハンカチ王子」として一躍大人気となりました。
この「ハンカチ王子」ブームで注目を浴びたのが、ミニハンカチです。
聞くところによると、斉藤投手が使っていたハンカチは、すでに製造中止になっていたそうなのですが、あまりの人気ぶりに生産が再開されたとか。
いつの時代も、ブームに乗るというのはすごいパワーをもらえますよね。
さて、あのハンカチですが、一般的には女性が良く使っているアイテムで、普通のハンカチと違い、タオル地の物となっています。そのため、我々タオル屋の分野ということになっているわけなんですね。我々業界では、「ミニハンカチ」と呼んでいますが、その製造方法はちょっとユニークです。
実は、ミニハンカチを作る際には、最初からミニハンカチの大きさで織り上げるわけではありません。 ミニハンカチは、まずバスタオルの大きさの生地を織り上げます。そしてそこに、それぞれミニハンカチの大きさのプリントを同時にしておきます。
次に、ミニハンカチ大の大きさに、くりぬいて行きます。(下の図を参照して下さい。) つまり、最初にいっぱいプリントされたバスタオルを作っておき、それをミニハンカチの大きさに分割していくわけですね。こうすることで、プリントに関しては、一回の工程ですむため、効率が良いわけです。しかも、ミニハンカチにプリントする柄が、ワンポイントであろうが、全面であろうが、元々はバスタオル大のプリントなので、効率的には代わりはありません。
こうして、一枚ずつくりぬかれたミニハンカチは、その後周囲を縫って、体裁を整えます。これをメローと呼びます。
このように、プリントタオルと良く似た工程を踏みますが、1枚ずつの大きさにくりぬく作業が余分にかかるということになります。