ミニハンカチの製造方法

ミニハンカチについてお話していきましょう。

平成18年、高校野球夏の甲子園大会で、ある一大ブームが巻き起こりました。優勝した早稲田実業高校の斉藤投手が試合中、額の汗をぬぐうために、小さなハンカチを使っていて、彼のさわやかな風貌もあいまって「ハンカチ王子」として一躍大人気となりました。

この「ハンカチ王子」ブームで注目を浴びたのが、ミニハンカチです。
聞くところによると、斉藤投手が使っていたハンカチは、すでに製造中止になっていたそうなのですが、あまりの人気ぶりに生産が再開されたとか。
いつの時代も、ブームに乗るというのはすごいパワーをもらえますよね。

さて、あのハンカチですが、一般的には女性が良く使っているアイテムで、普通のハンカチと違い、タオル地の物となっています。そのため、我々タオル屋の分野ということになっているわけなんですね。我々業界では、「ミニハンカチ」と呼んでいますが、その製造方法はちょっとユニークです。

実は、ミニハンカチを作る際には、最初からミニハンカチの大きさで織り上げるわけではありません。 ミニハンカチは、まずバスタオルの大きさの生地を織り上げます。そしてそこに、それぞれミニハンカチの大きさのプリントを同時にしておきます。

次に、ミニハンカチ大の大きさに、くりぬいて行きます。(下の図を参照して下さい。) つまり、最初にいっぱいプリントされたバスタオルを作っておき、それをミニハンカチの大きさに分割していくわけですね。こうすることで、プリントに関しては、一回の工程ですむため、効率が良いわけです。しかも、ミニハンカチにプリントする柄が、ワンポイントであろうが、全面であろうが、元々はバスタオル大のプリントなので、効率的には代わりはありません。

こうして、一枚ずつくりぬかれたミニハンカチは、その後周囲を縫って、体裁を整えます。これをメローと呼びます。
このように、プリントタオルと良く似た工程を踏みますが、1枚ずつの大きさにくりぬく作業が余分にかかるということになります。