ジャガードタオル

ジャガードオリジナルタオル

ジャガードオリジナルタオル


その1「ジャガードタオルの特徴」

ジャガードとは、織り方で表現する織り込みタオルのことです。
良く高級なタオルやマットなどで文字や柄が浮かび上がっているようになっているものがありますよね?あれがジャガード織りです。ジャガードのセーターも同じように文字や柄が浮かび上がって見えるタイプのモノをさしています。

それともう一つ。
タオルの生地の色と、文字や柄の色が違うタイプのモノを見たことありませんか?
あれもジャガード織りの一種です。こちらは良くプロスポーツの応援グッズであるタオルマフラーや、スポーツブランドのタオルに使われています。

文字やロゴ、絵柄などをインクを使って表現しているプリントタオルと違って、ジャガードは織り方で立体感を出したり、色を変化させたりして表現しています。なので、タオル独自の風合いを損なうことがありませんし、見た目にも高級感が漂っています。

「プリントタオルとジャガードタオルの違い」はこちら

また、オリジナルプリントタオルや名入れタオルは、普通の作り方をされたタオル生地にプリントをしますが、ジャガードの場合は、タオルを織る工程=文字や柄を作る工程となるため、織り上げる前に型を作る(現在は機械で織るため、データを作る)必要があります。この型を作る作業が簡単には出来ないため、どうしても割高になってしまいます。
またジャガードは、機械・職人・糸の3拍子がしっかり揃って始めてちゃんとした製品に仕上がります。この3つのうちの一つが欠けても、うまく行きません。

なので、逆の言い方をすれば、「コストはかかっても、上質のものを」という需要があって成り立つ商品とも言えるでしょう。
そのため、高級ホテルのタオルであったり、プロスポーツチームのグッズであったりと、どちらかといえば、見た目や高級感を強く意識するような商品に採用されることが多いのも事実です。出来上がりの要求も厳しい上に、作る条件もシビアなジャガードタオルですが、それゆえ、タオル屋としては腕の見せ所でもありますし、プライドをかけて取り組むには充分に価値のある分野でもあります。

ジャガードの製品が出来上がるたびに、ホレボレするのですが、実際タオルとしての機能以上のモノをもっていると思います。それゆえ、ジャガードにはタオルの持っている可能性や未来を感じずにはいられません。

その1「ジャガードの難点」

今までのところで、おおよそジャガードタオルとはどういう物かについてはお分かりいただけたと思います。次は、実際にジャガードタオルを作る際の注意点やどの部分にコストがかかるのかといったことをお話していきたいと思います。

まずはジャガードタオルを作る上での難点についてお話しましょう。

1.良い機械が複数台必要
現在のジャガード織りに関して言うと、良い機械を複数台持っているということが絶対条件と言えます。厳密に言うと、性能の落ちる機械でも出来なくはありません。また電子データでなくても作れる機械もあることにはあります。

ただ、性能の落ちる機械だと、キレイにデザインを出すことが難しくなります。ジャガードタオルは、その用途上デザインをはっきり見せるということが大切になりますから、わざわざ性能の落ちる機械で作るということはなかなかやらないと思います。

電子データを使わない場合は、方眼紙に手で書き込むことになります。
そしてそのデザインを見ながら、連結した板に穴をあけたりしてデータの元を作ります。(昔のコンピュータをご存知の方は、紙テープにパンチ穴のあいた物を想像していただければイメージを掴んでいただけると思います)

この方法だと、物凄く面倒なのと、時間がかかるということは容易にお分かりいただけることでしょう。手間と時間がかかるということは、それだけ納期がかかるということになります。そうなると、納期がシビアなアーティストグッズなどは、到底対応できないと言えるでしょう。

2.小ロットに対応できない
前章でも述べましたが、ジャガードタオルは小ロット対応が難しい商品です。特に毛違いの場合、染め糸のロットに左右されるため、経済的に製作しようとすると、どうしてもある程度まとまったロットが必要となります。そのため、現状では大きなイベントやプロチームなど、大量にさばける所ばかりになってしまっています。

3.時間が掛かる
ジャガードは、織込むにも時間がかかります。例えば、バスタオルだと1日に10ダース程度しか織ることが出来ません。良い機械が複数台必要になるというのも、この問題点を解決させるための物です。

4.機械だけでなく、良い糸、良い職人も必要
品質の良いジャガードタオルを作るには、良い機械だけでは不十分です。良い糸のを使うというのも大切な条件になります。糸というのは、実はすべて均一とは限りません。いくつもの細い繊維を編みこんだものが糸になっていますので、質の悪い糸だと太さが均一になっておらず、ムラになっているケースがあります。この状態でジャガードタオルを作ると、デザインの輪郭がぼけたりして、しっかりとした表現が出来なくなります。それに加え、糸の張り具合を調整することも重要です。すなわち、その調整が出来る腕のいい職人も不可欠となるわけです。ちなみに、この2拍子揃った環境というのが、なかなか無いということもつけ加えておきましょう。

その2「意外に簡単な製造方法」

確かに時間が掛かったり、良い機械がないとキレイに仕上がらなかったり、糸や職人の腕まで必要となると、それこそ作るのがとても大変なように思います。ところが、実際の製造工程はそうでも無かったりします。

現在、ジャガードタオルは電子データによる型の作成をして、あとは機械がそのデータを元に織り上げるやり方が主流です。つまりは、データを作って糸をセットしてしまえば、あとはほとんど自動的と言えるわけなんですね。これがプリントタオルだと、オフセットとスクリーンプリントの違いや染料と顔料の違いなどにより、途中の工程がいくつか入ってきます。そういった煩わしさが、ジャガードタオルにはほとんどありません。

もちろん、これは機械化による恩恵が大きいです。
昔であれば、コンピュータで型データを作るかわりに、方眼紙にデザインを書き込んでいたわけですから、これだけでもかなり効率化されています。しかも、昔は方眼紙に書いたものを元に、板に穴をあけたものを複数枚つなぎ合わせて、それを機械にセットし、読み込ませるという作業でしたから(ちょっと想像するのが難しいかも知れませんが・・・)、こちらもかなり時間が掛かっていました。

そういう見方をすると、元々ジャガードは大変な労力が必要な方法だったと言えますね。それを技術の進歩で補って来て、今日に至るわけです。

実は今でも昔ながらのやり方で、ジャガードタオルを作る所もあるにはあります。でも、当然時間が大幅にかかるので、それなりの納期は覚悟しなければなりませんし、板に穴を開けてつくった物ですから、スムーズに動かないということは容易に想像できることでしょう。
また、この方法で作った物は、デザインがはっきりしにくい面もありますから、そのあたりをシビアに考えるのであれば、避けたいところです。
ただ、それがまた良い味だということで、好まれる方もいらっしゃいますが。

それと、機械だけでなく、職人の熟練度というか腕の良さがあるから、簡単に見えるという部分もあるかも知れません。ただ、機械の性能というのは、どんどん進歩していきますから、今後ますます簡単でスピーディーになることも充分期待できると思います。そうなれば、もっともっとみなさんにジャガードタオルを手に取っていただけることでしょう。そのためには、私どもと機械メーカー、そして熟練した職人が力を合わせていかなければならないと思っています。

その3「ジャガードタオルの将来性」

ご存知の通り、タオルというのは消耗品です。
「手や顔が拭ければいい」という感覚で扱われていることの多い商品でもあります。そして悲しいかな、その考えは、全員というわけでは無いですが、一部の作り手の中にも存在しています。 その考え方こそが、タオル業界の進歩を止めてしまっていると思えてなりません。「タオルだからこんなもの」ではなく、プライドを持って商品を作り、世の中に送り出す。その結果、より良い商品をお客様にお届けすることになり喜んでいただける、そういう体質に変わることで、業界自体がもっと良くなると思うのです。ジャガードタオルのような高品質志向の商品が、そういった考え方を払拭してくれるのではないかと期待しています。ジャガードタオルがもっと普及すれば、品質にこだわりを持った人が、より効果的な商材アイテムとして採用してくれるのではないかと。

また、ロゴやブランドマークなどをはっきり見せるといった特長を活かし、クラブやサークル、チームなどのグッズとしても扱っていただけるのではないかと考えています。草野球やママさんバレーのチーム、テニスやスキーなどのサークル、自動車のオーナーズクラブなど、みんなでお揃いのタオルを持つということはとても楽しいことですし、尚且つそのタオルの質が高ければ、他の人へのアピール度も違うと思います。
これだけ考えても、ジャガードタオルに期待するところは決して少なくありません。

でも、そうするためには解消しなければならない課題もあります。

まず、ロットの問題。
経済ロットを考えると、ジャガードタオルはどうしてもロット数が大きくなってしまいがちです。
大企業や、有名プロチームやアーティストならそれでも良いでしょう。
でも、私はそれこそ少人数のチームやサークル、クラブの人たちにこも、自分たちのオリジナルグッズとしてジャガードタオルを採用していただきたい。
そのためには、数十枚という小ロットにも対応する必要がありますし、コストも抑えなければならないと思います。

これらの課題は現状では決して簡単に解決出来ることではありません。
でも、やらなければならない課題でもあります。
近い将来、ジャガードタオル数十枚というオーダーにも問題なく対応できる日が来ると思います。