プリントタオルに使用されている塗料には、染料と顔料という2種類があります。
染料とは、字の通り、「染める」やり方です。
これは、タオルの繊維に塗料を染み込ませて定着させるという技法になります。
染料を使うメリットとしては、繊維に染み込まれるため、タオル自体の肌触りや吸水性を損なうことがありません。
いくらプリントされているとはいえ、タオルとしての機能は失いたくない、そういったケースの場合に使われます。
デメリットとしては、コストが高くなることと、糸に染料を染めこまれるため、プリントの出来上がりがぼやけやすいということです。
また、顔料に比べ工程が多いため、納期の面でもかかってしまいます。
一方顔料は、例えてみるなら化粧品のようなものです。
タオルの上に塗るというか、乗せるというイメージでしょうか。
乱暴な言い方をすると、タオルの生地の上にもう一層顔料の層が出来るような感じになります。
メリットとしては、上に乗せるイメージなので、マークやイラストなどがキレイに出やすいということがあげられます。
また、染料に比べて工程が少ない分、低コストで作ることも出来ます。
デメリットとしては、顔料の層が出来てしまうため、水をはじいてしまう、つまり吸水性が悪いということがあげられます。
それと、これはあまり知っている人は少ないと思うのですが、濃い色ほど塗料が硬いという傾向があります。
そのため、非常にゴツゴツとした手触りになってしまいがちです。
このあたりは、改良が重ねられかなり良くなってきたとはいえ、まだ染料との差は歴然です。
私どもでは、濃い色のプリントをご希望されるお客様には、コスト面でのデメリットをお伝えした上で、染料をおすすめするようにしています。
染料と顔料、どちらが良くてどちらが悪いということではありません。
肌触りや機能を優先するのであれば染料、プリントのキレイさやコストを優先するのであれば顔料と、そのタオルの用途に応じて使い分けていただければ良いと思います。
ただ、技術次第では、染料でもにじみが少なく、キレイに仕上げることも可能であるということもご紹介しておきましょう。
それからもう一つ。
実際にプリントする柄によっても、コストの差があります。
一番安く仕上げられるのが、オリジナルタオル(一般プリント)です。
その次が、中ベタ柄と言われるもので、写真でいうところの”フチあり印刷”のような物をイメージしていただければ良いと思います。
そして、一番割高になるのが、ベタ柄と呼ばれる物で、写真でいうところのフチ無し印刷になります。
これらの差は何かと言うと、印刷するときの難しさに加え、印刷ズレをおこした場合に、商品として生かせるか生かせないかの違いになります。
一般柄だと、多少ズレてもプリント柄自体がわからなくなるということはありません。
中ベタ柄だと、余白の分だけはズレる余裕があります。
ベタ柄は、ズレてしまうと、プリント柄自体の意味が無くなってしまいます。
こういった理由で、それぞれの柄によってコストのランク分けがされています。
また、ベタ柄の場合、プリント台を汚してしまうので、その都度代を洗うという手間が発生し、その分がコストに加算されてしまいます。
みなさんが、実際にプリントタオルを注文する際に、柄をどうするかによってコストに跳ね返るということを覚えておいても損はないと思います。
まとめ
染料
・糸に塗料を染み込ませて発色させる技法。
・タオル本来の肌触り、吸水性を損なわない。
・比較的コストと納期がかかる。
顔料
・タオル表面に塗料を乗せる技法。
・キレイにプリントが出来る。
・生地の上に乗るため、プリント面がゴワゴワしやすく水をはじく。
オリジナルプリントタオル 「染料プリントと顔料プリント」
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